代表メッセージ
石原 泰明
株式会社YTR 代表取締役

ドライバーの「プロ集団」として、入社したいと憧れてもらえるような 会社に成長していきたい。

運送の「プロ集団」

YTRの創業は平成27年、山田運送のグループ会社としてスタートしました。私はYTRの代表と同時に、山田運送の本部長という立場でもあります。

山田運送は決まったルートの安定した仕事が多いのに対し、同じ長距離の運送会社でも、YTRは当初からその逆に、全国どこでもどんな仕事でもこなせるのを強みとする会社でやってきました。

山田運送は女性ドライバーも10%ほどいますし、年齢が高くてもできる安定感がある。それに対し、じつはYTRのドライバーは女性の比率が4%ほどです。
女性を入れないのでなく、きつい仕事もできる「プロ集団」としてやっていける人でなくてはならない。だから、当社は平均年齢が若く、女性社員も相当のレベルを持つ頑張り屋の子たちです。

あえて「狭き門」にする意味

弊社は、じつはドライバーさんがドライバーさんを連れてくる、紹介で入社してくる人が非常に多い会社。さらに離職率もこの業界では珍しいほどの低さです。
友人や知り合いが多いのは良いことではありますが、裏を返せば辞める時も一緒というリスクにもつながるため、求人では広くいろんな方に応募していただきたいと思っています。

今は、本当に人材確保が難しい時代です。でも、YTRは入り口はけっこう狭き門にしてあります。
人選はきちんとしていかないと、トラブルや事故につながったり、弊害も大きい。人を増やして会社を大きくするにあたっては、きちんと人選し、さらに管理職もレベルアップしていく必要があります。

どんどん人をとって大きくなるより、狭き門で「いつあきますか」「どうしたら入れますか」というぐらい、憧れをもって認知される会社になるのが理想ですね。

人材の育成

ドライバーは個人プレイヤーなのでまとまりがなく、人が増えると組織としていろんな落とし込みがスムーズにいかなくなってきます。そこで最近、ドライバーの班編成を取り入れ、今のところ出だしはうまくいっています。

幸い弊社は人材が豊富で、もともと管理職を経験してきたとか、運行管理の資格をもっているとか、ドライバーの中で次期管理職候補が多数在籍しています。班編成では、リーダーになれる人材が育つという期待も持っています。

僕もいろんな運送会社を見てきましたが、大きくなればなるほど管理職のレベルが低くなる会社が多い。特に急激に成長した会社は、中身がついていっていないんですね。
だから、自分の会社を大きくするにあたって、内勤の管理者をしっかりした人間に育てていきたいという思いが強くあります。

管理職の待遇改善

基本的にどこの会社でも、ドライバーから管理職になったら給料が下がってしまいます。
まあ、事故のリスクもなくなりますし、仕方のない面はありますが、責任があるので皆やりたがらない。
しかも、ドライバーは仕事を終えたら自分の時間ですが、管理職はそうはいかない。ドライバーや荷主から、遅い時間に電話がかかってくることもしばしばです。

以前、他社の経営者の方と話をした時に、ドライバーは走って稼いでくれるけど内勤者はお金を生まないと言われていて。そう思っている経営者は結構いるんですね。
僕はそれは違う、おかしいと思います。
管理職がいなければドライバーも崩れてくる。だから、そこを手厚く、ドライバーより管理職に多く給料を支払えるような体制を作っていかなくてはいけない。

管理職になれば給料が増えるとなったら、みんな勉強して目指すと思うし、管理職になれることをありがたいと思ってくれるようになる。そういう会社にしていきたいですね。

自由に休みを取れる会社

YTRでは、基本的にドライバーが希望する休みをとることができます。
たとえば、一週間まとめて休みをとって海外に行くという人もいて、そういうのは僕はありだと思っているんです。そのかわり、出てきたら仕事をきっちり頑張って稼いでもらう。
これを運送業界で行っている会社は少ないですが、弊社は力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
その理由は、自分がドライバーで実感した経験にあります。

自分がドライバーだった時代は、休みが月に1、2回、しかも前日になって告げられるなど当たり前でした。
もちろん、今は時代も変わりコンプライアンス上ありえませんが、それでも休みを自由にとることは難しい。例えば、子どもの運動会があっても休めないんですね。自分も子どもの行事などは1度も行けたことがありませんでした。

でも、今はドライバーさんも家族優先の若い人が多い。だから、自由に休みがとれる制度はすごく重宝すると思うんです。ひと月ごとに希望の休みを出せるから、行事に合わせて取得ができる。
これは若い方だけでなく、たとえば歳をとった人なら、体調を見て連休を入れるということも可能です。
ドライバーさんからも一番うれしいという声が多い制度です。

グループメリットを生かしてできること

YTRだけでなく、山田運送グループ全体で私が大事にしているのは、長く働いてもらうこと。
60歳まで働いて、長距離や大型のトラックに乗るのがしんどくなったら、グループには軽四から中型、大型と、いろんな仕事があるので移ることがことができます。

年金も受給年齢がどんどんのびて、これからは皆んな70歳ぐらいまでは働く時代になる。そうなった時、ドライバーを辞めて全く知らない会社に転職するぐらいだったら、そのまま内勤で例えば運行管理の仕事をするという方法もある。
以前、免許取り消しになったドライバーがいたのですが、辞めずに免許を取り直せるまでの5年間、倉庫で作業員として働いてもらったこともありました。

それぞれの事情にあわせて、仕事内容も含めいろいろなサポートができるのは、グループ企業があるメリットだと思うし、一度入社した方には、やっぱり長く働いていただきたいと思っています。

愛社精神が自然と育つ風土のある会社へ

僕は山田運送の本部長も兼任しているので、日々飛び回っていてなかなか大阪にいることが少ないんです。社員には、滅多に出会えないプレミアムキャラって言われています(笑)
実務をしっかり見ていてくれる宮嶋常務が僕の立場をしっかり話してくれているので、社員からは威厳のある社長にはなっているのかなと思いますけど。

一番嬉しいのは、社員が愛社精神を持ってくれているということ。それは、自分たちがドライバーさんのことを考えて、意見に耳を傾けてきた結果でもあると思います。

僕と宮嶋常務が45歳、管理職の人間も30代とまだまだ若いので、ドライバーが意見を言える空気がある。歳が離れていないので、正直に相談できて、こちらも柔軟に対応できる。
そういう面で、YTRはドライバーにとってすごく働きやすい会社だと思います。

これからのYTR

この3年で当初から10倍の車両数となり、売り上げも着実に伸ばして来ましたが、今後もこの右肩上がりの成長は保っていくつもりです。
今後の目標は、営業所の展開。荷物は関東に集中しているので、まずは関東に営業所を出したいと思っていて、そのために具体的に動いているところです。

僕はドライバーとして、いろいろな会社を経験してきましたが、運送会社は中小の規模ではワンマン経営が多く、残念ながら目の前の利益を先行する経営者ばかりでした。
以前よく知っている会社で、M&Aのあとドライバーさんがほとんど辞めてしまったことがありました。トラックがあっても人がいないとやって行けない。お金だけ考えるのでなく、人から選んでもらえる会社にならなければ、僕は会社を大きくする意味はないと思っています。

ドライバーさんへの給与への利益還元であったり、問題点を改善して環境の良い職場を作ることであったり、そこを本気で考えること。それが僕らの使命です。

運送はドライバーさんがいて初めて成り立つ仕事。会社としてどれだけ利益を還元して貢献できるのかが、ひいては会社を大きく成長させることにつながると思っています。